2016年06月07日

ハタケコガサタケ?

今朝、牛糞堆肥をすき込んでいる畑の隅に赤っぽいきのこが発生してきているのに気が付いた。

午後になるとかなり成長してきて、柄の細かい縦すじが目立ってきた。
ハタケコガサタケではないかと思われたが、2003年に観察した個体に比べると、かなり大柄で黄色味が強いように思われる。
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土に穴が開いているのは、農作物を食い荒らすネズミが空けたものだ。

夕方、採集して標本撮影してみた。
柄は、思ったより細長く伸びていて、縦すじはあまり目立たなくなっている。色合いも赤味がさらに少なくなってしまったようだ。
やはり、ハタケコガサタケにしてはかなり大型だ。
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胞子は、明瞭な発芽孔を持ち、サイズは13×7μm程度で、やはりこれも新日本菌類図鑑の記載(8.5-10.5×5-6.2μm)に比べてかなり大型である。
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ひだ断面は一見してシスチジア等が無いように見える。
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しかし、先端部を拡大してみると、小型のボーリングのピンのようなシスチジアが確認できる。
これは、ハタケコガサタケの記載と一致する。
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担子器はほとんどが2胞子性である。
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4胞子性の担子器はかなり少ない。
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新菌類図鑑の記載では「担子器は2または4胞子」となっている。

柄シスチジアはこんな形状をしている。
新菌類図鑑の記載では「紡錘形〜フラスコ形」となっているが、フラスコ形と言えるものは無いのではないだろうか?
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画像は深度合成を行っている。

傘表皮は、かぶら形の細胞が柵状に並んでいる。
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果たしてこれをハタケコガサタケとして良いものかどうか?
子実体と胞子のサイズが大きすぎるのがいちばん気になるところだが、色味も微妙に違うような気がする。

posted by gajin at 23:24| Comment(0) | きのこ

2016年05月17日

クロキツネタケ?など・・

先日のクロキツネタケ?が成長しているのではないかと、香良洲公園にまた行ってきた。

しかし、現地に行ってみると先日撮影した一群はどうも見失ってしまったようで、仕方なく別のものを採集してきた。あれから思ったほどは成長していないようであった。
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ひだ断面はまだ十分に成熟していない感じだ。
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コンゴーレッドで染色しKOHでばらしてみると、意外にも担子器は4胞子性のものが多かった。
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胞子画像は例によって深度合成をやってみたが、あまり上手くはいっていない。
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クロキツネタケについて本郷次雄博士は、傘がクヌギタケ型で中央部が凹むことは無いことを強調されていたが、それは間違いではなかったのかと思っている。青木図版のクロギンコタケも恐らく同じものではないだろうか・・?
しかし、このきのこは4胞子性の担子器が多いのが気になるところだ。
クロキツネタケについてはもう少し多くの個体を観察してみたいと思っている。

香良洲公園ではツルタケと思しききのこも多数発生していたが、雨上がりのため砂にまみれているものが多かった。
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先日採集しなかったアセタケの仲間は、また新しいきのこが出てきていたので採集し持ち帰った。
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この画像からでも柄シスチジアがびっしりと付いていることが伺える。
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ひだ断面を見ると、厚膜の縁シスチジアが群生し、同じような厚膜の側シスチジアも散生している。
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これはコンゴーレッドで染色した子実層の様子
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胞子はやや角のある長楕円形
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これらの形態から、このアセタケ属菌はスナジアセタケとして良いのだろう。

このあとクルミタケの発生状況が気になったので津市の公園に行ってみた。
しかし、クルミタケの姿は確認することができなかった。落ち葉を掻けば少しは見つかったかも分からないが、発生数が激減してきているのは間違いないようだ。

代わりに見つかったのは、このショウロの仲間
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グレバの断面には白っぽく区画されたような模様があり、ショウロそのものでは無いようだ。
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胞子は10μm弱の長楕円形
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担子丙には8個の胞子を付けるようである。(画像は深度合成をしたもの)
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公園のツブラジイの大木にはカンゾウタケの美しい姿が見られた。
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大型のベニタケ属も発生していたが採集はしなかった・・(^^;
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posted by gajin at 23:27| Comment(0) | きのこ

2016年05月15日

テングタケが出ていた

久しぶりに地元の神社に行ってみた。

いつもカンゾウタケが出ていたシイの木は最近の強風で倒れてしまっており、カンゾウタケの姿も見られなかった。
今朝、たまたま目にしたNHKの番組「さわやか自然百景」で流れていた伊勢神宮の森の樹冠を下から眺めた画像が印象に残っていた。同じように撮影してみるとこれがなかなか面白く、古くなった木が倒れてくれない限り新しい木が成長できないことも良く分かる画像となった。カンゾウタケは古くなった木を倒すのに一役買っているのだろうか?
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< EOS M3 EF-M11-22mm F5.6 1/100秒 +1.0EV ISO 100 f=11mm >

別のシイの木ではカンゾウタケの幼菌が赤い舌を少し出していた。
薄暗い照葉樹の森では、きのこの発生はまだほとんど無いようだった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F5.6 1/50秒 ISO 6400 f=11mm >

このあと、海岸のハマヒルガオが咲いている頃だと思い出し、香良洲町の海岸まで行ってみた。
海岸に行ってみると、案の定ハマヒルガオの花は満開だったが、風がとても強く、しばらく撮影を続けていると波しぶきでカメラのレンズが曇ってくるほどだった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F8 1/500秒 ISO 100 f=11mm >

ハマダイコンも花盛りのようで淡い赤紫色の花をたくさん付けていた。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F8 1/200秒 ISO 100 f=13mm >

ハマボウフウもちょうど花が咲いてきている頃だった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F8 1/160秒 ISO 125 f=16mm >

ハマヒルガオは、このように汀線に近い砂地の場所から堤防のコンクリートの隙間までかなりたくましく繁殖している様子だった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F8 1/160秒 +0.3EV ISO 100 f=11mm >

あまり期待しないで香良洲公園にも寄ってみたら、なんともう既にイボテングタケらしききのこが発生を始めていた。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F8 1/60秒 +0.3EV ISO 100 f=11mm >

ツボの部分は見えていないが、このイボの付き方はイボテングタケで間違いないだろう。
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< E-M5U LUMIX G MACRO 30mm F5.6 1/160秒 ISO 200 >

近くではショウロもまだまだ発生を続けていた。
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< E-M5U LUMIX G MACRO 30mm F6.3 1/160秒 ISO 200 >

クロキツネタケと思われる幼菌も見つかった。
もう少し大きくなったら採集してみたいが・・。
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< E-M5U LUMIX G MACRO 30mm F5.6 1/40秒 ISO 200 >

その他にも、もっと古くなったイボテングタケやツルタケらしき幼菌、やや大型のアセタケの仲間なども見られ、神社の照葉樹林とは打って変わって色々なきのこが発生を始めているようだった。


posted by gajin at 23:40| Comment(0) | きのこ

2016年05月14日

シイノトモシビタケを撮る

シイノトモシビタケが和歌山でも出始めたというので、昨日、熊野市の発生地を確認に行ってきた。

発生地に行ってみると、シイノトモシビタケはもうこんなに大きく成長した姿で傘を並べていた。
先日の雨で発生を始めたのではないかと思っていたのだが、どうもそうではないらしく既にかなり古くなった子実体も幾つか見られた。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 0.6秒 ISO 6400 f=17mm >

こちらは傘が赤味を帯びるタイプ
(かなりブレボケですが・・)
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 0.6秒 ISO 6400 f=22mm >

日が暮れると幻想的な光をあちこちに見ることができた。
この場所は良い感じで子実体が並んでいるし、やや高さがあるのでローアングルでの撮影もやり易かった。
新しい機材(EOS M3 & E-M5U)による撮影の確認をするには理想的な環境だった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=12mm >

ややローアングルでの撮影
撮影は全てマニュアルで行った。露出は、ISO6400 F16 30秒 で固定。
ピント合わせはモニターで行うが、ピーキング機能(ピントの合った部分が着色して表示される)を使用するとけっこうやり易かった。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=15mm >

ズームリングを回してもう少し拡大してみる。
解像感がいまいち乏しく見えるのは小絞りボケによる影響もあると思うが、傘の縁などよく見るとけっこう解像しているのが分かる。ひだの部分の写りはこんなものだろう・・。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=20mm >

こちらはOMD E-M5Uによる画像
これも解像感がいまいちなのは前述の理由もあると思うが、ピントをちょっと外してしまっているような気もする。
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< E-M5U LUMIX G MACRO 30mm F16 30秒 ISO 6400 >

これは朽木の内部から頭を覗かせて発生している様子
露光途中にLEDライトを当てて撮影している。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=17mm >

これは別の発生個所だが、やや子実体が古いのか発光が弱く画像もノイズが少し目立っている。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=17mm >

LEDライトを当てるとこんな感じ
かなりボロボロに腐朽した材から発生しているのが分かる。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=17mm >

ボロボロに腐朽して横たわる材から発生している様子はこんな感じだ。
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< EOS M3 EF-M11-22mm F16 30秒 ISO 6400 f=12mm >

シイノトモシビタケは数多く発生していたが、意外にその他のきのこはほとんど目に付かなかった。
発光するシイの落ち葉もしばらく目を凝らしてみたが確認できなかった。


posted by gajin at 10:11| Comment(0) | きのこ

2016年04月28日

キツネタケとアセタケの観察

昨日近所の農業公園で採集し観察したキツネタケとアセタケの写真を整理した。

このキツネタケは数年前に植栽されたコナラ樹下に毎年発生しているものだ。
写真はTG4でフォーカスブラケット撮影した数枚の写真を Zerene Stacher で深度合成したものだが、あまり上手くはいっていない。
2016-04-28-11.11.40 ZS DMap.jpg

標本撮影は、手動でピントをずらしながら撮影した10枚ほどの画像を同じように Zerene Stacher で深度合成したものだ。まあまあの出来栄えか・・。
2016-04-28-10.14.20 ZS DMap2x.jpg

胞子画像は、やはり手動でピントをずらしながら撮影した数枚の画像を深度合成したものだが、こちらは Zerene Stacher の PMax という方法を使用した。
右上の方の胞子などなかなか上手く合成されているものがある。60倍の乾燥系対物レンズを使用しているが、油浸100倍の対物レンズを使用すればもっときれいな画像を得ることができるだろう。きっと・・。
2016-04-28-10.33.16 ZS PMax_xs.jpg
胞子画像が少しずれているものは撮影途中で動いてしまったもののようだ。やはりこのような撮影ではカバーグラスにぴったりと貼り付いて動かない胞子のプレパラートをきっちり作る必要があるようだ。

アセタケの仲間は生態写真を撮り忘れたので標本写真のみ
3本しか採集できなかったので中央の傘の表裏の写真は実は同じものの写真を合成している。やはり深度合成は10枚ほどの画像を Zerene Stacher で処理したものだ。
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ひだ断面を顕微鏡で観察すると、厚膜の側シスチジアと縁シスチジアらしきものが確認できる。
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フロキシンで染色しKOHでばらしたひだ断面の縁部
先端に結晶を付けた縁シスチジアらしきものが確認できる。
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同じく子実層と側シスチジア
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胞子はやや細長いイボ状で頂部(?)が突出した独特の形状をしている。
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傘表皮の構造はアセタケ属ではあまり重視されないようだ。
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柄シスチジアは確認できなかった。
種名は・・、やっぱり良く分からない。


posted by gajin at 22:09| Comment(0) | きのこ