18日(金)から今日まで、鳥取県の大山で開催された第28回の「虫草祭」に参加してきた。
虫草祭自体の日程は19日(土)午後から20日(日)なのであるが、交通がやや不便な場所ということもあり、大部分の方が前日の18日から前泊で参加されていたようである。

18日(金)は早朝に自宅を出発して、午前中は米子の弓ヶ浜の海岸散策を楽しんだ。弓ヶ浜の海岸は、植生豊かな美しい海岸が広範囲に続いており、隈無く探索するには1日ではとても足りないだろう。ケシボウズがいっぱい生えていそうな環境なのだが、なぜか残骸すら見つからない。干からびたスナジホウライタケが少し見つかっただけである。

日が照ってくると、強烈な日差しと暑さで熱射病になりそうになった。砂浜に車の通り道となっているような轍(わだち)が続いていたので、良くないと思いつつも車を走らせてみた。初めて経験する車でのケシボウズ探しだ。これはらくちん!

午後3時頃に宿に着いたら、既にもう主要なメンバーが到着されていた。少し休憩してから大山寺周辺を何人かで探索した。大山寺は、参道と平行するように自然豊かな散策路が整備されており、ミズナラやブナの大木が多く見られる。虫草の発生はまだ非常に少ないようだったが、何種類かのベニタケ科のきのこやシワチャヤマイグチなどを見ることができた。
今年の虫草祭には、アメリカオレゴン州立大学のJoseph W. Spatafora教授(右端)が2名の学生とともに特別参加されており、親しく接することができた。Spatafora教授といえば虫草のDNAによる分類では第一人者ということであるが、虫草の形態的な特徴にも非常に精通されているという印象であった。

19日(土)の午前中は、有志での虫草探索。有志とはいうものの8割方はそろっているという感じ。この日の探索場所は林床にやや笹が多くなってきているようで、虫草の発生も時期が早いせいか非常に少なかった。それでも何人かの方は朽木性の虫草やコメツキタンポタケ(?)などを採集されたようだ。

午後3時から開催された日本冬虫夏草の会の総会の様子。私のすぐ前で、これ以上派手なきのこがらはないだろうなという服を着ておられるのが、今回の採集会のお世話をいただいたK山さんだ。

総会の後、小川眞先生のきのこのお話しがあった。小川先生のお話を聞くのはこれで3回目になるが、題名は同じでも毎回内容は全くと言って良いほど違っており、何度聞いても面白くためになる。
この写真は、最近小川先生の奥さんが翻訳出版されたというテオプラストスの植物誌のお話。BC300年の本だが、これに今私達がやってることなんか全部書いてあると言われているところ。

20日(日)は午前中が本番の採集会だ。全員そろっていざ出陣というところ。メインの採集場所ということもあってすばらしいブナ-ミズナラの森である。入り口から10歩ほど入ったところで、カメムシタケが見つかった。もちろん見つけたのは私ではない。直ぐ横でサナギタケが次々と見つかる。これも私ではない・・。私は写真だけ撮らせて貰う。

しばらくすると大物のエゾハルゼミタケが見つかったという叫び声がしたので行ってみると、直ぐ近くの場所で4体ほど見つかったという。案内役のK山さんもこれでほっと胸をなでおろされたいたようだ。写真はエゾハルゼミタケを発掘中の第一発見者のN内さん。石がごろごろしている場所なので非常に掘りづらいようだ。このあとギロ・・、いやいやそんなことはないはずである。

宿に戻って採取品の鑑定風景、虫草の場合「きのこ」のように採集品を机の上にすべて並べるというようなことはしない。コレクション的要素があるためか、貴重な採集品は物陰でこっそりと見せ合ったりするだけで、基本的にはクリーニングしてきれいな標本にしてから人前に出すというものらしい。
今回の私の採集品は、未熟なクチキフサノミタケ2体のみであった。
posted by gajin at 23:55|
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