しかし、現地に行ってみると先日撮影した一群はどうも見失ってしまったようで、仕方なく別のものを採集してきた。あれから思ったほどは成長していないようであった。

ひだ断面はまだ十分に成熟していない感じだ。

コンゴーレッドで染色しKOHでばらしてみると、意外にも担子器は4胞子性のものが多かった。

胞子画像は例によって深度合成をやってみたが、あまり上手くはいっていない。

クロキツネタケについて本郷次雄博士は、傘がクヌギタケ型で中央部が凹むことは無いことを強調されていたが、それは間違いではなかったのかと思っている。青木図版のクロギンコタケも恐らく同じものではないだろうか・・?
しかし、このきのこは4胞子性の担子器が多いのが気になるところだ。
クロキツネタケについてはもう少し多くの個体を観察してみたいと思っている。
香良洲公園ではツルタケと思しききのこも多数発生していたが、雨上がりのため砂にまみれているものが多かった。

先日採集しなかったアセタケの仲間は、また新しいきのこが出てきていたので採集し持ち帰った。

この画像からでも柄シスチジアがびっしりと付いていることが伺える。

ひだ断面を見ると、厚膜の縁シスチジアが群生し、同じような厚膜の側シスチジアも散生している。

これはコンゴーレッドで染色した子実層の様子

胞子はやや角のある長楕円形

これらの形態から、このアセタケ属菌はスナジアセタケとして良いのだろう。
このあとクルミタケの発生状況が気になったので津市の公園に行ってみた。
しかし、クルミタケの姿は確認することができなかった。落ち葉を掻けば少しは見つかったかも分からないが、発生数が激減してきているのは間違いないようだ。
代わりに見つかったのは、このショウロの仲間

グレバの断面には白っぽく区画されたような模様があり、ショウロそのものでは無いようだ。

胞子は10μm弱の長楕円形

担子丙には8個の胞子を付けるようである。(画像は深度合成をしたもの)

公園のツブラジイの大木にはカンゾウタケの美しい姿が見られた。

大型のベニタケ属も発生していたが採集はしなかった・・(^^;
