2016年01月02日

ホンシメジ・その2

ホンシメジの栽培品は近くの農業公園内にある産直市場でいつでも売られているのだが、1袋が500円もするのでお盆とお正月くらいしか庶民には手が出せない・・。

タカラバイオ(株)が大量生産技術を確立したこの「大黒本しめじ」は、当初、四日市市楠町で生産されていたのだが、現在は京丹波町にある瑞穂農林株式会社(タカラバイオ・京丹波町・京丹波森林組合が共同出資)のみで生産されているようだ。
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シイタケやブナシメジなら200円くらいで売られている量だが、どうしても栽培にコストがかかってしまうのだろう。この値段では地方のスーパーでは到底他のきのこに太刀打ちできないため、このような産直市で高級なイメージで売られているのだろう。しかし、いかにも丹波の山で育てましたというようなこのパッケージはちょっと残念な気がする・・。

パッと見は天然のホンシメジとかなり違うなという印象を持っていたのだが、こうやって各部をじっくり眺めてみると、やっぱりこれはホンシメジに違いないということが理解できる。
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昔、滋賀県の林業試験場で試験栽培されているホンシメジを見せてもらったことがあるが、それはかなり天然のものに近かったと記憶している。菌株の違いなのだろうか?

天然のホンシメジといちばん違うと思うのは柄の緻密さが少ないことだろう。手に持った感じもふわふわとしているし、食感も天然のものとはかなり違うように思える。これはエサの違いからそうなってしまうのだろうか?
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最初は見た目の違いから、これらの菌株は外国産のホンシメジの仲間から採集したものかと思っていたが、タカラバイオが特許を持っている「ホンシメジの人工栽培方法」の説明を見てみると、主な菌株は秋田県や福島県など国内で採集されたもののようだ。

一番確認してみたかったのは、この胞子がどんな形をしているかである。
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これなら「球形」といえるだろう。
サイズは、径5.5〜7.5μmとかなりばらつきが大きく平均で6.4μm。図鑑の記述「4〜6μm」に比べると3割弱大きいようだ。

この栽培品がどこで採集された菌株なのかは分からないが、胞子が球形でなかった近所の松山のホンシメジよりも図鑑に記載されたものに近いもののようだ。これはかなり意外だった・・。



posted by gajin at 21:45| Comment(0) | きのこ
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