検鏡といっても胞子のみの観察である。
ケシボウズの胞子はけっこう小さいので、対物レンズはすべて100倍の油浸レンズを使用した。
また、標本写真は、ピントをずらして撮影した2-4枚程度の画像をPhotoshopで深度合成している。
先ずは、浜岡砂丘で採集した小型のケシボウズ

胞子は小さいイボに覆われていると予想していたが、意外にもアバタケシボウズタケのように大型のトゲに覆われているものが多かった。

次は、浜岡砂丘で採集したナガエノホコリタケらしきケシボウズ

胞子表面はトゲ状〜マスクメロンのような網目状になっており、ナガエノホコリタケとして間違いないようだ。

浜岡砂丘で採集したヒメツチグリ属でヒメカンムリツチグリのようだと思っていたものも、孔縁盤の形状などを確認すると、これもヒヨリヒメツチグリのようだ。

胞子は褐色で、不定形なイボ状突起に覆われている。
サイズは径4.2μm程度の球形で、ヒヨリヒメツチグリの新産種報告(坂本・糟谷 2008年 日菌報)の記載(5.5-7μm)よりもかなり小さいようだ。

次は典型的なアバタケシボウズタケと思われた中田島砂丘のケシボウズ

胞子は角錐状のやや長いトゲに覆われているが、比較的小さいトゲに覆われている胞子も混じっているように見える。

これは中田島砂丘で採集した小型のケシボウズを2つ並べている。

上側のものの胞子は、浜岡砂丘のものと同じようにアバタケシボウズタケの胞子とよく似た姿をしている。

下側のものはアバタケシボウズタケを小型にしたような姿をしているが、胞子は意外にも小型のトゲに覆われていた。

中田島砂丘で最後に採集した大型のアバタケシボウズタケらしきもの
頭部がかなり扁平なのが気になった種だ。

胞子を確認すると典型的なアバタケシボウズタケの姿をしていた。

中田島砂丘で採集してきたヒヨリヒメツチグリらしきものも念のため確認してみた。

こちらの方は胞子サイズが径5.0μm程度あり、浜岡砂丘のものよりやや大きいが、やはり前述の記載よりは少し小さいようだ。
