ミイノモミウラモドキのように見えるが、どうだろうか・・

胞子を見ると、イッポンシメジ属には違いないがミイノモミウラモドキの胞子とは少し違うように思える。

午後からは近所の農業公園を散策してみた。
例のウッドチップの場所に行ってみると、ハタケキノコらしききのこの群生が新しく幾つか出来ていた。

その近くにベニタケを連想させる大型のきのこが発生していた。

よく見ると、これも先日見かけたコザラミノシメジと同じもののようだ。

胞子を確認するとやはり「ザラ実」に間違いない。

さらにメルツアー試薬を加えると胞子盤が明瞭に確認できた。

しかし・・、これはほんとうにコザラミノシメジで良いのだろうか? 今まで見てきたコザラミノシメジとは随分違うように思えるのだが・・。
ウッドチップ上にはハタケチャダイゴケと思われるきのこも新しく発生してきていた。

数年くらい前にコナラやアラカシなどを植林した場所に行ってみると、なんともうキツネタケが出始めているではないか!
他の発生場所ではまだ何も出ていないので、この場所だけ異常に早く発生スイッチが入ってしまったようだ。

その直ぐ傍にはアセタケ属らしききのこも幾つか発生していた。

コナラ樹下では4月7日に見つけたワカフサタケ属のきのこがまた出ていたので検鏡用に採集してきた。

池の畔にあるナラガシワの樹下でを探すとColpoma属のきのこを見つけることができた。
このColpoma属の発生のピークは、これから連休明けくらいまでだろうか・・。

ナラガシワの落枝ではタマキクラゲがまだ頑張っていた。

記事が長くなってしまったので、アセタケ属とワカフサタケ属の検鏡結果は明日にでも掲載することにしよう・・
【追記】
先ずはアセタケ属の観察から・・
傘表面は褐色のささくれ状、柄は基部のほうが黒っぽく変色しており、表面に白っぽい菌糸が走っているように見える。

胞子は、ややホームベースっぽい独特の形をしている。

ひだ断面を見ると、側シスチジアは多数認められるが、縁シスチジアは無いように見える。

念のため、ひだを寝かせて確認してみると、少数のシスチジアが確認できるが、これが縁シスチジアかどうかはかなり疑わしい。

子実層の拡大画像(×400)

縁シスチジアには、このような太っちょのものが少数あるようだ。

傘表皮は、平行に走った褐色の菌糸が、まさにささくれているという感じ・・

柄シスチジアは確認できなかった。
次はワカフサタケ属の観察
傘径は3-5cm程度とかなり小型で、表面には粘性がある。

ひだ断面を低倍率で見ると目立ったシスチジアは無いように見える。

しかし、先端部を拡大してみると、細長い薄膜の縁シスチジアが多数見られた。

フロキシンで染色すると形が良く分かる。

子実層をバラしてみても、目立った側シスチジアなどは無いようだ。

ひだ実質の菌糸には分かりやすいクランプが確認できる。

胞子は微いぼを持ったアーモンド状

胞子のサイズは10μm程度で、ヒメワカフサタケの記述と比較すると少し小さすぎるようだ。

傘表皮はこんな感じ
褐色の色素を持った組織の上に、粘性を与える透明な菌糸の層があるようだ。
