午後になるとかなり成長してきて、柄の細かい縦すじが目立ってきた。
ハタケコガサタケではないかと思われたが、2003年に観察した個体に比べると、かなり大柄で黄色味が強いように思われる。

土に穴が開いているのは、農作物を食い荒らすネズミが空けたものだ。
夕方、採集して標本撮影してみた。
柄は、思ったより細長く伸びていて、縦すじはあまり目立たなくなっている。色合いも赤味がさらに少なくなってしまったようだ。
やはり、ハタケコガサタケにしてはかなり大型だ。

胞子は、明瞭な発芽孔を持ち、サイズは13×7μm程度で、やはりこれも新日本菌類図鑑の記載(8.5-10.5×5-6.2μm)に比べてかなり大型である。

ひだ断面は一見してシスチジア等が無いように見える。

しかし、先端部を拡大してみると、小型のボーリングのピンのようなシスチジアが確認できる。
これは、ハタケコガサタケの記載と一致する。

担子器はほとんどが2胞子性である。

4胞子性の担子器はかなり少ない。

新菌類図鑑の記載では「担子器は2または4胞子」となっている。
柄シスチジアはこんな形状をしている。
新菌類図鑑の記載では「紡錘形〜フラスコ形」となっているが、フラスコ形と言えるものは無いのではないだろうか?

画像は深度合成を行っている。
傘表皮は、かぶら形の細胞が柵状に並んでいる。

果たしてこれをハタケコガサタケとして良いものかどうか?
子実体と胞子のサイズが大きすぎるのがいちばん気になるところだが、色味も微妙に違うような気がする。