ウッドチップを撒いたクヌギ林の道端にハタケシメジに良く似たきのこが群生していた。
昨年11月にイカタケが発生したポイントのすぐ横だ。

傘はまるでウラベニガサのようにも見えるし、コザラミノシメジにしては柄がやけに短いように思える。

胞子をドライで覗いた時点で、やっぱりコザラミノシメジで良かったんだと分かった。

水封するとこんな感じに見える。

ひだの断面を40倍で見たもの
尖ったシスチジアらしきものがたくさんあるのが確認できる。

100倍で見るとシスチジアの形が良く分かる。

さらに400倍で確認するとシスチジア先端の結晶構造は戻し針のような鋭い構造になっていることがわかる。
しかし、この部分は、新菌類図鑑の記載では「細かい結晶を付着する」としか書かれておらず、検鏡図もザラメ砂糖をまぶしたような図になっている。

傘表皮は複雑に絡み合った菌糸が平行ぎみに走っており、端部ではほぐれるように立ち上がっているように見える。(右側が上部)

もう1種ウッドチップ上で目立っていたのがこのきのこ
ウッドチップ上に菌輪を描いて、昨年からずっと出続けているきのこだが、詳しくは調べていなかった。

胞子はかなり大型で発芽孔が確認できる。

ひだの断面を40倍で確認すると縁シスチジアらしきものが確認できた。

さらに100倍で確認すると、縁シスチジアはボーリングのピンのような形をしており、棍棒状の側シスチジアらしきものも確認できる。

ひだ実質の菌糸には分かりやすいクランプが確認できる。

傘表皮は絡み合った菌糸が立ち上がるような構造になっているが、端部の構造はこの画像では良く分からない。

以上の検鏡結果からは、ハタケキノコまたはその近縁種かと思われるのだが、ハタケキノコがこのようなウッドチップ上で盛大に発生するという情報はあまりないようだ。
この他にも、ウッドチップ上にはチャダイゴケの仲間が出ていたし、コナラ樹下ではワカフサタケ属のきのこも見られたのだが、細かく調べるにはとても時間が足りなかった。