昼前まで降っていた雨も上がり、午後からは少し日差しも出てきた。
とは言っても、ハンノキのある湿地は長靴がずぶずぶと10cmくらい入ってしまうくらいぬかるんでいて、歩きにくいことこの上ない。

ハンノキは今ちょうど花盛りという感じだった。
枝先に長く垂れ下がっているのが雄花序で、その根本あたりに付いている小さなタンポ状のものが雌花序だ。(たぶん)

しかし、肝心のキボリア アメンタケアはなかなか見つからなかった。
やっと見つかったアメンタケアは、かなり小型で落ち葉に埋もれて発生していたため、こんな写真になってしまった。
菌核はやっぱり魚の骨のような形をしている。これはアメンタケアに感染した雄花序が変形したものだろうか?

どんどん奥に入っていくと、見たことの無い若いハンノキ林が現れた。ここは数年前までは耕作放棄された田んぼの様相が残っていた場所だが、いつのまにかこんなハンノキ林になってしまっていたのだ。

コナラの落枝には、この雨で息を吹き返したタマキクラゲがたくさん付いていた。

これもコナラの落枝だと思うが、びっしり生えたスエヒロタケのひだがとても美しかった。

持ち帰ったアメンタケアの子嚢盤の断面を40倍で観察すると、4層構造になっているように見えた。

しかし100倍で見てみると、上部(左)の2層はなぜか子実層が2段になってしまったもののようで、実際は3層の構造になっているようだ。

子実層はツバキキンカクチャワンタケなどとほとんど変わらない姿をしている。

さらにメルツアー試液で染色すると構造が明瞭になる。
やはり子嚢の先端部は、ツバキキンカクチャワンタケなどと同じように、メルツアー試液で染色することにより厚壁となるようだ。
